加工素材にレジンを使用する3Dプリンタ(光造形方式)を、Elegoo社のSaturn4Ultraに更新しました。
主な仕様
- パネル:10inchモノクロLCD 12KモノクロLCD
- 解像度:19*24um (11520*5120)
- 出力可能サイズ:218.88(幅) × 122.88(奥行) × 220(高さ)mm
- オートレベリング&インテリジェントメカニカルセンサー
LCDを光源にしているため、面単位での造形が可能で、かなり高速にプリントできるようです。高さのあるものより、平面の広い物や幾つかの造形物をまとめてプリントするのに威力を発揮します。
また水洗いレジンが使用できるため、アルコール洗浄とくらべ、後処理がうんと楽になりました。とはいえ、レジンを素手では扱えないし、プリンタから造形物を取り出すときに飛び跳ねたりするし、予洗いの水タンクやろ過して排水したりと、結構手間がかかります。
それでも0.01mmの精度は素晴らしい。積層痕がほとんどわからないほど。
実はここまで来るのに、開封初日からとんでもないミスを繰り返しました。セッティング自体は問題なかったものの、空気清浄機とのホース接続がわからない、造形中の確認用カメラが映らないなど。説明書などほとんどなく、販売サイトの動画にもそんなことは書いていない。ホース接続の蓋は本体内部から六角レンチで取り外す、カメラのゴムカバーを外す、くらいは自分で考えろということでしょうか。
極め付きは、造形に失敗してFEPフィルムに貼りついた造形物をはがすのにヘラでフィルムを破ってしまい、レジンが大量にこぼれた。これをふき取るのに、大量の紙タオルとぞうきんを使い、プリンタ本体まで分解掃除する羽目に。
で、あわてて取り寄せたFEPフィルムを張り替えるのに、3種類の六角レンチで30本余りのねじと格闘。これを二日連続でやってしまった。
その間にレジンタンクやヘラを予洗浄するために、水を張った食器用バットやシリコンマット、レジンをろ過するろ紙や漏斗と漏斗スタンド、紙コップ、大量の紙タオル、予備のFEPフィルムと六角レンチドライバなど、あらためて調達が必要なものもの多数ありました。ケーキ用のバットや工具は安いもので、L字のレンチより格段に作業効率が上がりますが、FEPフィルムの高価なこと!
プリント作業では、レジンに合わせて露光時間を標準より1秒ほど長くすること、初期層が硬すぎる場合は最初の露光時間を短く20ぼ秒程度にすること、造形に失敗してフィルに貼りついた場合はマニュアル操作で全面に照射すれば容易にはがせること、プラスチック製のヘラを使うこと、造形物の重さに合わせて吊り下げる形になるサポート材の先端形状を太く(Miiddle)にすることなどで、解決することができました。
こうして1週間ほど格闘の末、ようやく安定して出力できるようになってきました。レンジによってサポート材の形状や数、露光時間、ベース上への配置の向きなども、まだまだ工夫が必要のようです。加えて、レジンのにおい対策は必須です。空気清浄機がついているのに、部屋の換気扇は常時ONにしないと臭いがこもります。